理事長挨拶

平成30年秋

世界に羽ばたこう

鶴山館館長 頃安健司

  世界は日に日に狭くなりつつあり,グローバリズムの波は滔滔として留まるところを知らない。然るに我が国の若者は内にこもりがちで,留学も外国勤務も敬遠しがちであるという。キッコーマンの茂木友三郎取締役会議長によれば1980年代はコロンビア大学ビジネススクールに入学するアジアの学生の中では日本人が多かったが,数年前に同大に聞いたら,中国人が最も多く,日本人は一人しかいなかったとのことである。
 私は,あるメーカーの社外監査役をしていたが,そこでは海外生産50パーセント以上を目標としていた。日本は少子化で人口は減る一方で市場は縮小し物は売れない。輸出しようにも賃金格差が大きく競争力がない。したがって,賃金の安い発展途上国に出て行って,そこで物を作るしかない。海外で働く人材が必要となる。日本が激しい競争に打ち勝って生き残るには,否応なく国際化を迫られているのである。日本の若者が世界を股にかけ活躍することを期待したい。